積水ハウスの「BIM」

家づくりの技術

新たな価値を生み出し、競争力を高めるなど企業の成長にIT技術の活用は欠かすことができません。
それは住宅業界においても同じが言え、積水ハウスでは過去5年間で合計80億円をBIM関連事業に投じソフト開発や運用に力を入れています。

積水ハウスは1972年に「AUDESEI-Ⅰ」、79年に「AUDESEI-Ⅱ」「AUDESEI-Ⅲ」、そして、98年には「SIDECS」という3次元CADを自社開発しました。
積水ハウスの家づくりはニーズに合わせて一邸一邸設計しているため同じものがなく、このような一邸一邸完全に違う家を効率的に作り上げるために部材と図面の情報を一体化した「BIM(ビルディングインフォメーションモデル)」というシステムをベースに住宅向けに独自に進化させたソフトウエア「SIDECS-Ⅱ」を開発しました。

BIMを使うことにより、完全な家一棟を仮想の空間でつくり上げることできる上、その壁や床がどのような建具でどのような構造なのかという情報までデータとして管理しており、設計、生産、施工、アフターメンテナンスの各業務で使用するデータを一元管理することができます。

BIMを使い住まいを3次元化することで、吹き抜けなど想像しにくい箇所も見ることが出来たり、フローリングの床や壁の素材なども各メーカーのシリーズの中から選択することも可能であったり、壁や床の色を変更したりなどを即座に反映させることが出来るため実際に近い形で家全体のイメージを確認することが出来ます。

また人物のモデルの設定を施主の身長などに設定し、仮想住宅に配置することにより、実際のキッチンの高さを設定したり、手を伸ばしたときに高いところに配置されたスイッチ類や収納に手が届くかなどの検証を実際に家を建てる前に検証することが出来るものBIMの特徴です。
このように実際のイメージを確認しながら設計士と十分な話し合いができるため、納得のいく設計とデザインが可能となります。
また素人にはわかりにくい図面も3次元化することでイメージがしやすくなりビジュアルで確認しないとわかりにくい箇所などの細かい部分まで確認することができるため、施主にとっても非常に有益となります。

そして、このようにして作られた住まいの情報は寸法など部材情報に変換され工場に送られます。
工場ではロボットにより自動製造で施主ごとのオリジナル部材を製造することができるため、人件費のカットなど大幅なコストカットが可能となり、価格の低下という意味でも施主にとって有益をもたらします。

施工に関してもBIMを使うことで施工時には現場監督はタブレットなどで図面を見ながら施工者に説明することが出来たり、施工者もデータを確認しながら作業進めることが出来るため、より確実な工事が可能となり、情報の共有なども可能となるため品質の向上と工期の短縮などに繋がります。
さらにこのデータは引き渡し後のアフターメンテナンスなどにも活用されるため、たとえ担当者が代わっても、家の建てはじめからずっと住まいのデータは維持され続けます。

積水ハウスが独自で開発したBIMの活用は顧客満足度と工場の徹底的な合理化を両立させた未来の住宅のあり方を見つめたビッグデータの有効活用であり、施主にとっても価格面やデザイン面、アフターサービスなど大きな有益をもたらしてくれるはずです。
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住まいのトータルアドバイザー 元ハウスメーカー社員の経験をもとに住まいの情報を発信中! 住宅業界に身をおいていたから分かる【家づくりのためのポイント】をご紹介します。

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