漆喰は機能性にも優れていて、とても良い素材というイメージだけど、実際にはどんな素材でどのような機能性があるの?
自然素材を使った漆喰の家に憧れるけど、実際に漆喰にはどんなメリットやデメリットがあるの?
昔から日本の家に使われてきた漆喰。最近の家はビニールクロスなど人工的な素材を使用することが多いですが、ビニールクロスなどには無い漆喰独特の表現力や機能性、自然素材という点から価値が見直されており、家を建てるなら漆喰を使用したいと方も多く、近年は漆喰のニーズが高まっています。
家で毎日の生活を快適に過ごすためには、建材に漆喰などの自然素材を取り入れるのも一つの方法です。自然素材を取り入れた家づくりは、ここ最近は注目度も高く人気があります。無垢のフローリングやイグサを使った畳など様々な自然素材がありますが、漆喰も代表的な自然素材の内の1つです。
この記事では、漆喰とはどのような建材なのか、どのような種類があるのか、漆喰の機能性やデメリットなど、漆喰についてあまりよく知らないという方へ、わかりやすく説明します。自然素材を使った家づくりの参考にしてみてください。
漆喰について
漆喰の機能性
漆喰のデメリット
漆喰とは
皆さんも漆喰という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。そもそも漆喰とは昔から使わている建材で、古くはお城の城壁や内壁などにも使用されていました。漆喰が古くから建材として使われていたのには理由があります。それは漆喰の機能性が快適な生活環境を作るのに適していたからです。
漆喰は30%以上の消石灰(水酸化カルシウム)を主成分としており、サンゴや貝殻などをすり潰した粉にノリを混ぜて作った含む日本古来の建築材料です。ですから日本の風土と気候にとてもあった自然素材といえます。
近年では漆喰の原料も生活環境に合わせて変化しており、「琉球漆喰」「土佐漆喰」「本漆喰」「既調合漆喰」「漆喰関連製品」など様々な種類が存在します。
漆喰の機能性
安全性
漆喰は、水酸化カルシウムは二酸化炭素を吸収しながら硬化するという性質のため、化学物質である接着剤を必要しません。ですから、ビニールクロスや合板のように化学物質が使われていないので、シックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒドなどの有毒ガスなども発生しません。そのため人体に悪影響を与える事もない安全性の高い素材です。
安全な自然素材だからこそ、家の建材として適しているといえます。また漆喰のような自然素材は体にも優しく、心地良い空間を作り上げるため家族が健康で快適に暮らす事が出来ます。
調湿性
漆喰は微細な穴(多孔質)がたくさんあり、呼吸をするように室内の湿度を調整します。湿気が多いと湿気を吸い、乾燥していると湿気を調湿します。湿度を適度に調節するので結露も発生しにくく、快適な室内環境をつくってくれます。
調湿効果を期待して漆喰を使用する場合は、薄く塗っただけではあまり効果に期待ができないとも言われているため、厚めに漆喰を塗ることをおすすめします。
消臭性
水酸化カルシウムが持つ強アルカリ成分が臭いを分解するため消臭効果があります。微細な穴に臭いの元が入り込み、漆喰が臭いを吸収し分解し、その効果によってカビやタバコなどの生活臭などの嫌な臭いを抑え快適な空間を作り出します。
トレイの壁に漆喰を使用することでアンモニア臭を軽減してくれます。
耐火性
構成される素材がほとんど無機物で不燃性のため、燃えにくく有毒ガスも発生しません。もしもの時に大切な家族の命と住まいを守ります。またその特性を活かし大事な物を火事から守るために昔の家では蔵などの物置場には漆喰を使用していました。
防虫・殺菌性
水酸化カルシウムが持つ強アルカリ性の成分が虫が生息しにくい環境を作り出すだけでなく、カビや花粉などの有機物を分解するため防虫効果だけではなく、カビの発生を抑制しクリーンな環境も作り出すため、アレルギーの原因となるハウスダスト対策にも期待ができます。
遮熱性
内部が軽石のような気泡を持った構造なっているので構造的に熱を通しにくく、遮熱効果があるため、夏は涼しく、冬は温かい室内環境をつくりあげます。
メンテナンス性
漆喰は強アルカリ性の酸化還元作用があるため他の塗り壁に比べて汚れが付きにくく、もし壁に汚れが付いてしまっても霧吹きなどで汚れた部分に水をふりかければ汚れの漂白を促進する事が出来ますし、少しの汚れであれば消しゴムで落としたり表面を削って消すこともできます。また漆喰が持つ自浄作用によって綺麗な状態を長く持つという事があげられます。ビニールクロスに比べて静電気が帯ないのでホコリなどが付きにくく、他の壁材と比べてメンテナンスが楽になります。
デザイン性
漆喰の塗り壁はクロスなどに比べると高級感や重厚感を感じる事が出来るだけでなく、塗りの際にコテで模様などを入れる事も出来るため、漆喰の風合いや独特な質感は他の何にも変えられない漆喰独自のものがあります。そして漆喰は時間の流れとともに風合いが出てきます。これはビニールクロスなどでは表現することのできないデザイン性です。
また最近はで白色だけでなく、様々な色合いの漆喰も作られているのでよりデザイン性を楽しむことも可能です。
漆喰のデメリット
機能性に優れた漆喰ですが、デメリットもあります。漆喰のデメリットとして、まずあげられるのがコスト面です。ビニールクロスなどの壁紙に比べると、どうしても割高になってしまうため、コスト高となります。
そして漆喰かビニールクロスなどの壁紙のように工場で機械的に作られるものではないため、左官職人の腕によって仕上がりに差が出てしまいます。そのため、ひび割れや隙間などができてしまう場合もあります。
ですからできるだけ経験豊富な職人に作業してもらうことが大切です。また仕上げまでの時間に関しても、ビニールクロスなどの壁紙に比べると時間がかかってしまいます。
漆喰はどうしてもコスト面で高くなってしまいます。無理に漆喰に使用して予算オーバーにならないようにして下さい。
まとめ
漆喰は昔から日本の家に使用されている建材です。ビニールクロスなどが主流になりつつある現在、高機能性・自然由来の建材ということで再度その素材のもつ魅力に注目されています。自然素材の建材を望む方やシックハウス症候群などが気になる方、デザイン性にこだわる方などに向いています。
漆喰を使用することのメリットも多い一方で、費用面で高くなったり、仕上がりが職人の腕に左右されるなどのデメリットもあります。ですからメリットがデメリットを上回るかどうか、しっかりと考えて判断する必要があります。
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